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経営学を生物学からとらえる

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皆さんは「フラクタル理論」のことをご存知でしょうか?

  • 雪や氷や鉱物の結晶
  • 蝶の羽の模様
  • 鳥の羽根
  • 植物の葉脈

これらはすべてフラクタル構造になっています。

フラクタルとは、フランスの数学者マンデブロが提唱した幾何学の概念で、図形の部分と全体が自己相似になっているもののことを指します。


冒頭のシダ植物の写真を見てください。
葉をよく観察すると、全体の葉の形の縮図がそれぞれの葉の形になっており、さらにこの縮図の形状がずっと繰り返されているのがわかると思います。

フラクタルとは自然界のあらゆる場所にみられる不思議で興味深い現象ですが、
自然界に限らず、あらゆる事象に共通して現れる原理原則があるのではないかと私は考えています。



経済界は自然界の縮図?

事業を営むなかで、最近強く感じることがあります。
それは、事業を展開しようとする行為は、自然界で生き物が繁殖しようとする行為にとても似ているということ。

会社をひとつの生き物ととらえた時に、経済界というものは自然界に驚くほど構造が似ています。

企業活動は、限られた経営資源(一般的には、人、モノ、金、情報)を活用して不確実性の高い市場の中で生き残りをかけて工夫を重ねますが、これは自然界という環境変動が激しいフィールドで、限られた物質的資源やエネルギー資源を活用して進化を重ねていく動植物や微生物の姿にそっくりなのです。


経済界では、すき間産業のことを「ニッチ」な市場と表現しますが、実はこの「ニッチ」という用語はもともと生物学の概念です。


4億年前のデボン紀の地球上では、地殻変動によりイアペトゥス海が消滅。狭くなった生活領域で生物間での生存競争が激化した中、覇者となったのは、鎧のように硬い甲羅を持った巨大魚「板皮(ばんぴ)類」でした。


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この板皮類から身を守るために、海底の堆積物の中に身を隠すようにしてひっそりと生活していた魚がいました。これが、ヒトの祖先ともいわれている「アカンソステガ」です。

外敵から身を守るため、あるいは自らの安全な生活環境を確保するために、小さなすき間で生活をする生物は、まるで大きな資本力をもつ大企業にとって参入メリットの小さい、小さな専門性の高い事業領域を確立する中小企業そのものです。


このような事例をあげたら限りなく出てきますが、
企業としてどのような戦略を組み立てるべきかを考える際に、46億年という悠久の時の中で進化を重ねてきた生物たちの生き方を参考にすることは、とても有意義な方法であると私は考えています。



仕事の評価基準は「◯◯」

突然ですが、皆さんは今働く会社でどのような評価をされていますか。


仕事の評価に対する解釈は個人によって様々だと思いますが、評価の基準そのものに不満を持っているビジネスマンも少なくないと思います。

米国など外資系企業では、完全成果主義に限りなく近い印象を持つ一方、日本ではまだまだ終身雇用の影響で長く働きやすい環境を重要視するためか、年功序列的に「忠誠心」を評価する傾向にあるように感じます。

それはそれで、民族性に適合した仕組みなのかもしれませんが、冷静に考えると本当に妥当なのか疑問に思うことも多い。


たとえば、

  • 成果主義というが、本当の「成果」とは数字だけで測れるものなのか?
  • 忠誠心を評価するというが、長くいるだけが本当に忠誠心の顕われと言えるのか?

このような命題に対して真剣に考える企業も多く、最近では実にユニークな評価基準が生まれているようです。


「会社の大切にしている価値観」を評価基準に

東京都のとあるIT企業では、設立当初、月間の粗利の10%を営業職の成果報酬とし、各人の業績に応じて基本給に加算する成果給を採用していました。
この施策ははじめは功を制したものの、顧客のニーズを踏まえたモバイル広告の製作は営業側と作成側との協調が鍵であり、徐々に個人プレーが目立つようになり仕事の質が落ちる事態に陥ってしまったのです。

そこで同社は、職種・役職と給与額を直接連動させるのではなく、同社の「価値観」を具現化した行動規範の実行と、パフォーマンスの 2 つの軸の評価に給与額を連動させる独自の給与制度を構築。評価項目は、1 人の社員につき6 人の社員(上司、部下、同期等)が匿名で評価し、集計されたポイントに応じて自動的に給与が決定される仕組みで、これを導入したことにより社員満足度が格段に向上したそうです。(出典:中小企業庁『中小企業白書2009年版』)



私の考える感動評価

おそらく、企業の評価基準にこれといった正解はなく、企業の風土や環境に最も適した方法が存在するのだと思います。

今日前職の旧友と久々に会って話をしながら、改めて自分の考えを再認識しました。
私が会社を運営するとき大切にしたい評価基準、それは

「その人がどれだけ新しい価値を生み出したか」

「価値」とは、人の心を劇的につき動かすものでなければいけないと思っています。だからこそ、今までにない「新しい価値」にこだわる。私なら、会社の事業分野において社内外の人々をどれだけ感動させられたかを評価基準にします。「作業」ではなく「仕事」をしているかどうか。他者に迷惑をかけないという条件のもとで。


「新しい価値」を評価に落とし込む方法は容易には見つからないでしょう。
たとえ数値化できたとしても、実際フタを開けてみれば人の感情論が適正な評価を邪魔しているはずです。

最終的には、人として総合的に公正な評価を下せるメンバーをじっくりと育てていくことが、遠回りなようにみえて実は近道なのかもしれません。


旭山動物園を蘇らせた1匹の野生グマ

昨日、何気なくTVを観ていたら「仕事学のすすめ」という番組(おそらく再放送)の中で、旭山動物園の元園長である小菅正夫さんたち飼育員チームの取り組みが紹介されていました。

旭山動物園については、今ではあまりにも有名なので説明は不要かもしれませんが、北海道旭山市にある”劇的な再生”を遂げた小さな動物園です。


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1996年には史上最低の26万人まで来園者数は落ち込み、一時は廃園の危機に直面しながら、2007年には上野動物園に迫る300万人以上の来園者を集め見事に動物園を再生させ、そのマネジメント手法が注目されました。

日本の最北端の極地、しかも凍てつく寒さ・・・とても厳しいハンディキャップ。

この、一見恵まれない境遇の中で、一体どのように躍進したのか今更ながら興味を持ったので、「経営資源を活かす」という視点から今日話題にしてみたいと思います。


旭山動物園再生までの道のり

  • 1977年〜 遊園地併設構想→失敗(毎年新たな遊具を導入しても来園者数は減少の一途)
  • 1996年  過去最低の来園者数。40万人→26万人
  • 1997年〜 飼育員の強みを活かしたワンポイントガイド実施
  •      ワンポイントガイドからリアリティ溢れる行動展示へ移行
  • 2004年  「アザラシ館」の話題性からマスメディアに取り上げられる
  • 2007年  開園40周年で、300万人以上の来園者数を達成

理念のぶれが、レバレッジの低下を招いた

当初市が考えたのは、遊園地の導入により来園者を増やすことでしたが、毎年新たな遊具を導入しなければ来場者を確保できない状態となり、失敗に終わっています。ここから学び取れるのは、「動物園としてどうあるべきか」という本質からズレてはいけないということ。
現在、復活を果たした旭山動物園のウェブサイトには「伝えるのは命の輝き」というキャッチフレーズが綴られています。動物の弾ける本能(ともすると厄介そうなもの)を活かすという大胆かつ一貫した視点です。


飼育員 ≠ 動物を育てる人

飼育員が本当に力を発揮するのはどんなときか?
この問いかけに大抵は「動物を飼育するとき」という答えが返ってきそうですが、旭山動物園では、飼育員は「動物の知られざる特性を誰よりも詳しく知る人」という認識がされており、その力を発揮する場こそ、飼育係が活きる瞬間なのだと考える。こうして生まれた「ワンポイントガイド」で小菅さんの手腕がユニークだと私が感じたのは、毎日必ず続ける、その代わり、やり方は個々に任せるということです。動物のワンポイントガイドをする上で、中には話すのが苦手な飼育員もいます。個々に裁量を与えたことで、絵を描いて説明したり、音楽を流したりする飼育員までいたそうです。個々の飼育員の持ち味を活かした多様な表現の場が、動物園を活気づける要因となったと考えられます。


イノベーションは突然起こる。きっかけは一匹の食いしん坊な野生グマ?

ワンポイントガイドはユニークながら、非常に手間のかかるものでした。飼育員は事前に原稿や説明のためのツールを用意しなくてはなりません。
ある時、飼育員が鳥に餌をあげようと果物を置いておいたら、野生のアカハナグマに先に食べられてしまいました。ロープに吊るすなどして工夫しても、ことごとくアカハナグマに取られてしまいます。果実の匂いをかぎつけたアカハナグマは、壁をよじ登り、針金を渡ってロープを手繰り寄せ、見事に果実を手に入れたのです。

「この自然な行動こそ、何よりもアカハナグマの習性を物語ってくれる!」

ここから生まれたアイディアが、動物の「行動展示」でした。
動物の持ち味が発揮される行動を展示して、飼育員がそのガイドをすることで、「動物園では動物は寝てしまって動かない」という既成概念を打ち破るブレイクスルーが生まれたのです。


旭山動物園はとりわけ経営資源が豊かだったわけではありません。
むしろ、境遇としては厳しい環境にあったといえます。それでもこうして成功を収められたのは、「どうぶつのありのままを伝えたい」という一貫した理念の中で資源を取捨選択をして、限られた資源でもその持ち味を最高に発揮させるための創意工夫を絶やさなかったことにあるのではないでしょうか。


今後、もし私が組織を持ったなら、従業員ひとり一人の行動展示ができる飼育員を目指したいと思います。

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