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旭山動物園を蘇らせた1匹の野生グマ

昨日、何気なくTVを観ていたら「仕事学のすすめ」という番組(おそらく再放送)の中で、旭山動物園の元園長である小菅正夫さんたち飼育員チームの取り組みが紹介されていました。

旭山動物園については、今ではあまりにも有名なので説明は不要かもしれませんが、北海道旭山市にある”劇的な再生”を遂げた小さな動物園です。


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1996年には史上最低の26万人まで来園者数は落ち込み、一時は廃園の危機に直面しながら、2007年には上野動物園に迫る300万人以上の来園者を集め見事に動物園を再生させ、そのマネジメント手法が注目されました。

日本の最北端の極地、しかも凍てつく寒さ・・・とても厳しいハンディキャップ。

この、一見恵まれない境遇の中で、一体どのように躍進したのか今更ながら興味を持ったので、「経営資源を活かす」という視点から今日話題にしてみたいと思います。


旭山動物園再生までの道のり

  • 1977年〜 遊園地併設構想→失敗(毎年新たな遊具を導入しても来園者数は減少の一途)
  • 1996年  過去最低の来園者数。40万人→26万人
  • 1997年〜 飼育員の強みを活かしたワンポイントガイド実施
  •      ワンポイントガイドからリアリティ溢れる行動展示へ移行
  • 2004年  「アザラシ館」の話題性からマスメディアに取り上げられる
  • 2007年  開園40周年で、300万人以上の来園者数を達成

理念のぶれが、レバレッジの低下を招いた

当初市が考えたのは、遊園地の導入により来園者を増やすことでしたが、毎年新たな遊具を導入しなければ来場者を確保できない状態となり、失敗に終わっています。ここから学び取れるのは、「動物園としてどうあるべきか」という本質からズレてはいけないということ。
現在、復活を果たした旭山動物園のウェブサイトには「伝えるのは命の輝き」というキャッチフレーズが綴られています。動物の弾ける本能(ともすると厄介そうなもの)を活かすという大胆かつ一貫した視点です。


飼育員 ≠ 動物を育てる人

飼育員が本当に力を発揮するのはどんなときか?
この問いかけに大抵は「動物を飼育するとき」という答えが返ってきそうですが、旭山動物園では、飼育員は「動物の知られざる特性を誰よりも詳しく知る人」という認識がされており、その力を発揮する場こそ、飼育係が活きる瞬間なのだと考える。こうして生まれた「ワンポイントガイド」で小菅さんの手腕がユニークだと私が感じたのは、毎日必ず続ける、その代わり、やり方は個々に任せるということです。動物のワンポイントガイドをする上で、中には話すのが苦手な飼育員もいます。個々に裁量を与えたことで、絵を描いて説明したり、音楽を流したりする飼育員までいたそうです。個々の飼育員の持ち味を活かした多様な表現の場が、動物園を活気づける要因となったと考えられます。


イノベーションは突然起こる。きっかけは一匹の食いしん坊な野生グマ?

ワンポイントガイドはユニークながら、非常に手間のかかるものでした。飼育員は事前に原稿や説明のためのツールを用意しなくてはなりません。
ある時、飼育員が鳥に餌をあげようと果物を置いておいたら、野生のアカハナグマに先に食べられてしまいました。ロープに吊るすなどして工夫しても、ことごとくアカハナグマに取られてしまいます。果実の匂いをかぎつけたアカハナグマは、壁をよじ登り、針金を渡ってロープを手繰り寄せ、見事に果実を手に入れたのです。

「この自然な行動こそ、何よりもアカハナグマの習性を物語ってくれる!」

ここから生まれたアイディアが、動物の「行動展示」でした。
動物の持ち味が発揮される行動を展示して、飼育員がそのガイドをすることで、「動物園では動物は寝てしまって動かない」という既成概念を打ち破るブレイクスルーが生まれたのです。


旭山動物園はとりわけ経営資源が豊かだったわけではありません。
むしろ、境遇としては厳しい環境にあったといえます。それでもこうして成功を収められたのは、「どうぶつのありのままを伝えたい」という一貫した理念の中で資源を取捨選択をして、限られた資源でもその持ち味を最高に発揮させるための創意工夫を絶やさなかったことにあるのではないでしょうか。


今後、もし私が組織を持ったなら、従業員ひとり一人の行動展示ができる飼育員を目指したいと思います。

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